
出産後の解雇 二審も無効
2021-03-05
育休からの復職直前に解雇されたのは「マタニティハラスメント」だとして、神奈川県内の保育園に勤めていた
30代女性が、保育園を運営する社会福祉法人「緑友会」を相手取り、雇用関係にあることの確認や未払い賃金、
慰謝料などを求めた裁判の控訴審判決が3月4日、東京高裁であった。
東京高裁は、昨年3月の1審・東京地裁判決と同様に女性の解雇は違法無効とし、そのうえで解雇後の未払い賃金と
社会保険給付の相当分に加え、復帰直前に復職を拒絶されたことで大きな精神的苦痛を負ったなどとして、
慰謝料30万円の支払いを命じ、原告、被告双方の控訴を棄却した。
- 経緯(判決による内容)-
2012年 :保育士として社会福祉法人に就職
2016年 :第1子の妊娠
2017年 4月:産休入り
2017年 5月:出産
2018年 3月:育休からの復職直前、理事長から復職させることはできないと伝えられる
2018年 5月:5月9日付で解雇 (復職交渉をおこなったものの、不調に終わった)
2018年10月:労働契約上の地位の確認や、賃金・賞与、慰謝料などを求めて提訴
- 裁判のポイント -
・裁判では主に解雇の有効性が争われた。
・法人側は、女性に職場環境を悪化させるような問題行動があったとして解雇に代わる有効な手段はなかったと主張。
・判決は「解雇に相当するような問題行動であると評価することは困難」と判断。
・男女雇用機会均等法9条4項に反するとして解雇は無効。(妊娠・出産等以外の客観的に合理的な解雇理由が無い)
[弁護士ドットコムニュース からの引用]