
保育士給与は不当に低い? 来年度から通知を改定
2021-03-05
東洋経済ONLINEに保育士給与についての記事がありました。
これまで全国平均でしかわからなかった保育士の人件費の金額が、2021年度から地域ごとにわかるようになります。
来年度からは内閣府の初の試みとして通知が改定され、全国を8つに分けた地域区分別の公費から出ている人件費額が
示される事になります。
記事から、これまで「保育士給与は不当に低い」事がわかります。たとえば、公定価格が最も高い東京23区。
内閣府の内部資料から2020年度については下記が確認されました。
公定価格(基本分)の人件費:443万円
そこに、国による全保育士対象の処遇改善加算Ⅰとキャリアに応じた処遇改善加算Ⅱ、東京都独自の処遇改善加算を加えた
金額が下記となります。
・処遇改善加算Ⅰと都独自の処遇改善費がつく場合:約517万円
・処遇改善加算Ⅱと都独自の処遇改善費がつく場合:約523万円(おおむね経験3年目のキャリア)
・処遇改善加算Ⅱと都独自の処遇改善費がつく場合:約565万円(おおむね経験7年目のキャリア)
ところが、実際に保育士が受け取る年間賃金の実績は、東京23区の平均が約381万円。(内閣府の2019年度調査)実際の賃金
との差は最大で約184万円、最小でも約136万円になります。
差額はどこに消えているのか?
認可保育園の運営費用は公定価格に基づき、その園で必要な費用が「委託費」として各園に給付されます。
その8割以上が人件費を占めるのですが、「委託費の弾力運用」という制度によって、大部分を占める人件費をほかに流用
しても良い仕組みになっています。
同一法人が運営する他の保育施設や介護施設への流用、新たな保育園を作る施設整備費にも回すことができ、多くは新しく
保育園を作るための費用に委託費が流用されています。また、一部では経営者による不正な私的流用も発覚。
内閣府では、通知改定で一歩も二歩も処遇改善につながる可能性が出てくると想定しています。
また「税金が保育士の処遇改善に正しく使われるよう、こうした通知を出すことは当然のことで、社会全体に関心を持って
もらいたい」と官僚は話しているとの事です。