
東芝系SEが過労自殺 労災認定
2021-03-15
電機大手、東芝グループの中核事業会社の一つ、東芝デジタルソリューションズに
勤務していたシステムエンジニアの男性社員(当時30)が2019年11月に自殺したのは
長時間の過重労働が原因だったとして、昨年12月17日付で労災が認められたことが
わかった。
東芝側が遺族側に示した報告書は、システムの開発に遅れが生じたため、19年10月以降に
安部さんに作業が集中し、過重な負担がかかったとしている。
遺族側代理人によると、亡くなる直前の1カ月(10月17日~11月15日)の時間外労働は
103時間56分にのぼった。3、4、6カ月前の各月でも過労死ラインの80時間を超えていた。
大企業の残業時間には、19年4月以降、休日労働を含めて「月100時間」の上限が設けられた。
男性社員は東大大学院農学生命科学研究科を修了後、15年4月に東芝ソリューション
(現東芝デジタルソリューションズ)に入社。
2019年6月ごろから厚生労働省老健局が発注した介護に関するシステムの開発に従事
していた。
東芝側は労災認定の事実を認めているが、東芝側に労務管理上の問題があっただけでなく、
男性社員が発注元の厚労省との協議の場などで精神的ストレスを受けていたことがうかが
えるとして、厚労省からも話を聞く方針。
東芝デジタルソリューションズのコメント
当社として、今回の件について極めて重く受け止めており、改めまして故人のご冥福を
お祈りするとともに、ご遺族の皆さまに対して誠心誠意対応していく所存です。
当社はこれまでご遺族の労災申請にあたって可能な限りご協力をさせていただき、
行政官庁(労働基準監督署)の調査にも真摯(しんし)に対応してまいりました。
また、ご遺族対応を継続して行っているところであるため、詳細についてはお答えしかね
ますが、今回の事態を受け、安全健康に関するトップメッセージを繰り返し発信するとともに、
働きすぎ防止、職場内でのコミュニケーション活性化などの施策に加え、社員個人のセルフケア
向上施策にも取り組んでおり、社員の心身の健康維持増進に一層努めてまいります。
[朝日新聞社 からの引用]