
労働経済動向調査(令和3年2月)の結果
2021-03-18
厚生労働省は、労働経済動向調査(令和3年2月)の結果を取りまとめ公表しました。
労働経済動向調査は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しに
ついて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施。
また、今回は特別項目として「令和3年新規学卒者の採用内定状況(令和3年2月1日現在)」
及び「正社員以外の労働者から正社員への登用の状況」についても調査を実施。
本調査は、令和3年2月1日現在の状況について、主要産業の規模 30 人以上の民営事業所の
うちから 5,835 事業所を抽出して調査を行い、3,243 事業所(うち有効回答2,941 事業所、
有効回答率50.4%)から回答を得ています。
◆ 生産・売上額等判断D.I.は、10 ポイント低下して再びマイナス
(1) 生産・売上額等判断D.I.(「増加」-「減少」でのポイント)
・調査産業計:-7ポイント
・前期実績見込:+3ポイント
・目立った業種別のポイント増減
生活関連サービス業,娯楽業・・・(-30)
医療,福祉 ・・・(-22)
宿泊業,飲食サービス業」 ・・・(-21)
卸売業,小売業 ・・・(+5)
(2) 所定外労働時間判断D.I. (「増加」-「減少」でのポイント)
・調査産業計:-6ポイント
・前期実績見込:+-0ポイント
・目立った業種別のポイント増減
運輸業,郵便業 ・・・(-19)
宿泊業,飲食サービス業 ・・・(-18)
生活関連サービス業,娯楽業・・・(-17)
製造業 ・・・(+1)
(3) 雇用判断D.I.
・調査産業計 正社員等雇用:+2ポイント(「増加」-「減少」でのポイント)
・パートタイム雇用:+1ポイント
・目立った業種別のポイント増減
正社員等 不動産業,物品賃貸業 ・・・(+10)
正社員等 学術研究,専門・技術サービス業 ・・・(+ 8)
パート 学術研究,専門・技術サービス業」 ・・・(+ 7)
パート 金融業,保険業 ・・・(+ 6)
◆ 正社員等、パートタイム労働者ともに「不足」とする事業所割合が引き続き多い
労働者過不足判断D.I. (「増加」-「減少」でのポイント)
・正社員等労働者(調査産業計) +27ポイント(39 期連続で不足超過)
・パートタイム労働者(調査産業計) +19ポイント(46 期連続で不足超過)
◆ 令和3年新規学卒者の採用内定状況(注1)
令和3年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」事業所の割合を学歴別にみると、調査
産業計では、すべての学歴で前年同期(令和2年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」
事業所割合)を下回った。
高校卒 :40%
高専・短大卒 :28%
大学卒(文科系) :37%
大学卒(理科系) :39%
大学院卒 :21%
専修学校卒 :22%
[D.I.とは]
Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、変化の方向性を表す指標。
・「生産・売上額等判断」「所定外労働時間判断」「雇用判断」について
当該期(間末)を前期(間末)と比べて「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した
事業所の割合を差し引いた値。
判断D.I.がプラスであれば、前期(間末)よりも増加させた事業所が多いことを示す。
なお、これらの値には季節による変動があるため、季節調整(注2)を行っている。
・「労働者過不足判断」について
調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の
割合を差し引いた値。
この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多い。
(注1) 「令和3年新規学卒者」
令和3年3月卒業予定者又は概ね卒業後1年以内の者を令和3年3月卒業予定者とほぼ同等の条件で
令和3年度に採用する者をいう。
(注2)「 季節調整」
令和3年2月調査より、「生産・売上額等」、「所定外労働時間」、「雇用」(正社員等雇用、
パートタイム雇用など)の判断D.I.の季節調整を、センサス局法X-12-ARIMAのなかの
X-11 オプション SeasonalmaS3×1からX-11 コマンドによる選定結果(seasonalma=MSR)に
変更している。