
日銀短観 雇用につながる景況感の本格的な改善は遠い
2021-04-01
3月の日銀・全国企業短期経済観測調査(短観)では、製造業主導での景況感回復が示された。
一方でコロナウイルスの感染再拡大に伴う緊急事態宣言で打撃を受けた宿泊・飲食サービスが大幅悪化するなど、業種別ではばらつきがある。
感染「第4波」が現実味を増す中、投資や雇用につながる景況感の本格的な改善は遠い。
大企業製造業の足元の景況感は3四半期連続で改善した。
パソコンや半導体などデジタル関連需要が好調な電気機械と、輸出や生産が持ち直した自動車がけん引した。
ただ3カ月後の先行きは製造業で小幅悪化、非製造業は横ばいとなり、慎重な見方が多い。
政府は大阪府などに「まん延防止等重点措置」を適用する方針で、先行きの改善を予想している宿泊・飲食の景況感は厳しい状況が続きそうだ。
また需要急増やルネサスエレクトロニクスの工場火災などによる半導体不足は、自動車だけでなく、鉄鋼など関連産業にも波及しかねない。
スエズ運河での大型船座礁の余波で物流が滞る恐れもある。景気の先行きは予断を許さない。
[ 時事通信 からの引用 ]