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電通による「社員の個人事業主化」 メリットとデメリット

2021-04-21

マイナビニュースで電通による「社員の個人事業主化」に関連し、この制度の メリットとデメリットを論じていましたので紹介します。

—— マイナビニュースの記事の要約 ——

2020年11月、40歳以上で希望した社員に一旦退職してもらい、「個人事業主」として業務委託契約で仕事を続けてもらういわゆる「社内フリーランス」の制度を電通が新しい働き方として発表。雇用関係を解消し、業務委託関係に切り替えることによって、今までの社員としての身分と何が変わるのか?

まずはデメリットを見てみよう。

[報酬面]

前提として、雇用関係を解消することになれば「労働者ではなくなる」ので労働基準法の適用がされない。
労働基準法が適用されないということは当然、「労働時間」も「休憩」も「休日」も、そして「深夜」も関係なくなる。
したがって、残業も休日出勤も深夜勤務も関係ないということになる。
それだけではなく「賃金」そのものが一切発生しなくなる。
ただし、社員から業務委託契約へと変更する際、労働時間などを考慮したうえで業務委託報酬を決定して契約をしたのであれば大きな問題ではない。
ただし、契約を更新する際、見合った成果が出ていなければ、次回の契約ではさまざまな条件が見直される事になると予想される。
また、労働者は警戒するあまり「基本給ベースで契約した」というケースにすれば、成果にないする報酬は減額となり、大幅に手取りが減ってしまうという事態にもなりかねない。

また、社員だから支払われていた交通費や家族手当、住宅手当なども報酬から外れる可能性がある。
その他にも、退職金や福利厚生なども同様。
制度に応募する際には報酬はもちろんのこと、その他の待遇面についてもしっかり両社で話し合う必要がある。

[契約終了の時]

社内フリーランスで働くということは、急激に会社の業績が悪化したような場合に、突然の契約解除という事態も想定しておくべきだろう。
社員であれば、労働基準法で解雇に対する厳しい規制が設けられているため、簡単に解雇されることはない。
特に大企業の場合はかなり労働者にとっては有利となっている。

ただし、業務委託契約となれば前述したように、労働基準法の保護を受けないので、解雇ではなく単なる「契約の終了」というかたちになる。

したがって契約書に基づいて粛々と契約の解除が行われことになる。
また当然のことながら、解雇予告手当なども発生しない。

さらに、社員であれば雇用保険に加入しているので、退職した場合にはハローワークから失業給付を受給することができるがフリーランスはそもそも雇用保険に加入することができないからだ。また、雇用保険から給付される育児休業給付・介護休業給付・高年齢雇用継続給付・教育訓練給付などについても同様に受給することはできなくなる。

[労災保険]

労働者ではなくなるので、労働者災害補償保険(労災保険)も対象外となる。
つまり、仕事中や通勤途上に負傷をしても労災の対象とはならない。

このようなケースでもフリーランスが加入する国民健康保険等の医療保険で一定の範囲はカバーされるが、労災保険と国民健康保険とでは給付内容に雲泥の差がある。
例えば、業務中のケガが原因で休業をしたとき、労災であれば休業せざるをえない期間については長期にわたり休業補償を受け取る事が出来るが、国民健康保険では休業補償がないケースがほとんど。
他にも、病院に支払う治療費や障害年金、遺族年金の受給額等を見てもほかの保険に比べ労災保険は非常に手厚い給付内容となっている。

[社会保険]

健康保険、厚生年金保険も原則として加入することはできなくなる。
(健康保険については任意継続被保険者制度などを利用すれば、退職後2年間は加入可)

したがって、健康保険、厚生年金保険の被保険者資格を喪失後は、国民健康保険と国民年金に加入することになる。
また、健康保険、厚生年金保険の喪失手続きについては、原則として会社が行うものだが、国民健康保険と国民年金の加入手続きについては自ら役所に出向いて行う必要がある。保険料の納付手続きも同様に自分自身で納付する必要がある。

その他、厚生年金に加入していたころは扶養している配偶者(60歳未満)は、その配偶者の保険料負担がなくとも将来的に国民年金を受給することができる国民年金第3号被保険者になることができる。
ところが厚生年金の被保険者資格を喪失すると、その第3号被保険者の資格も喪失することになる。
つまり配偶者の状況がまったく変わっていなくても、制度上は、第3号被保険者ではなくなってしまう。
さらに、健康保険の資格を喪失することで配偶者は健康保険上の被扶養者の資格も喪失することになる。

次に個人事業主になるメリット

・働く時間に融通がきく
・働く場所が自由
・仕事量を自分の裁量で決められる
・自分次第で大きく収入を増やすことができる

したがって意向に合わない仕事の依頼は断り、やりたい仕事を選びながら、気持ちにゆとりを持って自分のペースで働くことが可能になる。
また、社員では一定の年齢になると定年となり退職する必要があるが、個人事業主では年齢に関係なく、体が元気な間は働き続けることが可能になる。
人生100年時代、例えば65歳定年後の100歳までの35年間に経済的不安を覚えている方にとっては、個人事業主となり、生涯にわたって働ける環境を65歳よりももっと若い時から準備することができることはメリットといえるだろう。


以上をご覧いただくと、いかに労働者が組織によって保護されているかお判りになるだとうと思います。
ただ、事業主にとって雇用を中止する事は、大幅な経費削減になる様にも見えますが、労働者が無責任になるが心配されます。
また、賃金を支払わないのですから、制限や強制する事は出来なくなる場合も多くなり、これが業績に影響する事も考える必要があります。

Category:コンプライアンス関連,ブログ,労働環境,賃金関連,雇用関連

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