
技能実習法に基づく行政処分
2021-04-28
法務省と厚生労働省は、令和3年4月23日付けで、四国被服工業協同組合、協同組合グローバル・ネット及び備中技研協同組合に対し、技能実習法に基づく監理団体の許可の取消しを通知しました。また、同日付けで、播磨加工事業協同組合に改善命令を行いました。
さらに、出入国在留管理庁と厚生労働省は、同日付けで以下に対して技能実習計画の認定の取消しを通知しました。
株式会社アキオカ
有限会社ヴェルグレィ
河村清
株式会社カワモト
グンオウアパレル株式会社
群央繊維工業株式会社
株式会社光嘉
株式会社佐貫塗装工業所
サンスダ建設株式会社
株式会社新庄砕石工業所
株式会社神和商事
有限会社田中被服
有限会社トラスト
株式会社ニシオシェル
伏見織物加工株式会社
まるこう食品株式会社
株式会社村井捺染、
有限会社いずもや(改善命令のみ)
【コメント・解説】
厚労省の報道資料に出ている「監理団体」とは、国の認定を受けて、日本国内企業に実習生を斡旋したり、滞在中の実習生に関するトラブ防止や対策を行う組織の事を言います。
日本全国に多数存在しており、通常の派遣会社ではなくほとんどが「〇〇組合」と名乗っているのが特徴です。
また、これら組合をJITCO(公益財団法人国際研修協力機構)が束ねており、組合は毎年高額な年会費をJITCOに支払っています。
上記の厚労省発表では、組合3社が監理団体の許可の取消、1社は改善命令が出たとなっています。
今回の許可取消しは3件中2件が、他人に監理事業を行わせていた事によるもので「名義貸しの禁止」に違反していることが理由となっています。
気の毒なのは、おそらく上記許可取消や改善命令が下された組合に実習生の手配を委託していた企業です。
実習生が来日した際の住居をはじめ、生活必需品などを揃えるのは受け入れる企業の負担となっており、すでに準備を終えられたケースもあるかと思います。
また、実習生獲得にかかる費用を、すでに組合に支払った会社もあるでしょう。
これら全てが無駄になる可能性があります。
報道書面の後半にズラリと並んだ企業名は、その煮え湯を飲まされた会社さんの名前です。
「…技能実習計画の認定の取消しを通知しました」となっています。
ちなみに技能実習計画とは、技能実習制度の実態は海外からの労働力確保ですが、建前は「実習」ですので、雇用する企業が、どの様な実習を行うのかなどについて、組合を通じて事前に入国管理局に申請している計画を指します。
令和3年に入って、監理団体の許可取消しが11件出されている事から、組合に対して法務省と厚生労働省の調査が厳格になっている事がわかります。
Category:NEWS,コンプライアンス関連,雇用関連