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◆管理者なら知らんとアカン・雇用のルール◆ [第1回 労働時間・休憩時間の巻]
2021-04-28
[はじめに]
最近のネット検索で「働き方改革」「同一労働同一賃金」「助成金」「ブラク企業」「残業代」「労働時間」などなど、労務に関係するものの検索回数が、毎年グングン上昇傾向にあります。
そして、このキーワードでの検索は、もっぱら労働者が行っている様です。
その結果「気が付けば雇用する側よりも雇用される側の労務知識が豊富になって、労使間トラブルでは勝ち目が無い」なんて状態の会社もすでに出てきているのです。
これをご覧になる事業主様が そんな事にならない様に、できるだけ実践的でわかりやすい言葉で労務などについて説明を行います。
更新は不定期ですが、たまに覗いて見てください。
さて、誰かを雇用する場合、労働を始める時刻や労働してもらう時間を、まずは決める必要があります。
ただし、法律には上限などが決められており、違反すると事業主には罰則や罰金がかせられますので「バリバリ、何時間でも働きます!」なんて言葉を鵜呑みにして働かせば、労働基準監督署がやって来て、びっくりするほど叱られるなんて事も。。。
ですから、第1回目は、基本の「き」の字でもある「労働時間」そして「休憩」についてカンタンに解説します。
◆ 労働時間
労働時間は、労働基準法の第四章、第32条で下記の様に規定されています。(条項の記載は関西弁ではありません)
① 労働者には、休憩時間を除き1週間に40時間以上労働をさせたらアカン。
② 一週間の各日について、労働者には、休憩時間を除き1日に8時間以上労働をさせたらアカン。
つまり「①であり②でもある」に仕事が収まれば、労働者の健康を損ねず、人生を楽しむ時間も確保さてるからOKと法は定めています。
ですから、1日8時間労働として月曜から金曜まで連続で働けば、土曜と日曜が休日になります。
また、①と②を守れば良いのですから、休日を土曜と日曜に特定したり、連続した2日にする必要はありません。
つまり、「ウチの会社は水曜と日曜がお休み」でもOK。
さらに、1日に8時間とするから2日のお休みが必用なだけであって、たとえば1日7時間で下記の様なパターンもOKです。
月曜 ・・・ 7時間
火曜 ・・・ 7時間
水曜 ・・・ 休 日
木曜 ・・・ 7時間
金曜 ・・・ 7時間
土曜 ・・・ 5時間 (この日だけ2時間減)
日曜 ・・・ 7時間
———————-
合計 40時間
ただし、後に説明しますが、原則として休日は1週間に1日以上とされていますので、1日の労働時間を5時間半にして、1週間毎日労働などのパターンはNGです。
この様に、会社は法律に違反しない範囲で日々の労働時間を会社の規則(就業規則)で規定する必要があります。
これを「所定労働時間」と言います。(就業規則は常に雇用する人が10名を超えるまで労働基準監督署への届出は不要)
上記を基本とし、実はもう少し融通の効く時間設定が可能になる様、次の様な変則的な制度も法律では規定されています。
◆ イロイロな労働時間制度
〇 1ヵ月単位の変形労働時間制(詳しくは別の機会に説明します)
1ヵ月間について、1週間当たり平均40時間を超えなければ、40時間を超える週や8時間をる日があってもOK。
・事前に毎日(毎週)の具体的な労働時間を決めておく必要あり。
・特例である事業場は週44時間で計算
〇 一年単位の変形労働時間制(詳しくは別の機会に説明します)
1年について、1週間当たり平均40時間を超えなければ、40時間を超える週や8時間をる日があってもOK。
・事前に毎日(毎週)の具体的な労働時間を決めて年間のカレンダーを事前に作成する必要あり。
・毎年1回、労使間で協定を行い、年間カレンダーと共に、労働基準監督署に届出する必要あり。
・特例である事業場は週44時間での適用は不可。
〇 フレックスタイム制(詳しくは別の機会に説明します)
・一定の期間、先に定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業や終業時刻、労働時間を決めることのできる制度。
◆ 休憩
さて、長時間の労働をすれば、息抜きが必要。 集中力だって長時間の持続は困難です。
労働基準法では、第34条で、休憩についてもちゃんと規定がされています。
・労働時間が6時間を超える場合・・・少くとも45分
・労働時間が8時間を超える場合・・・少くとも60分
この休憩時間は「労働時間の途中に与えなければならない」となってます。
つまり、労働開始の前や後はダメって事になります。
さらに、労働者権利保護として「休憩時間は自由に利用させなければならない」ともなっています。
最後に「休憩時間は一斉に与えなければならない」とも規定しています。
これは、労働組合、労働者の過半数を代表する者との書面による協定があれば「一斉」でなくても良いとされています。
(この最後の「一斉」・・・は、なんで協定まで必要なんでしょうかねぇ?)
今回はココまでデス。
[ご注意]
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