固定残業代、実は無効になっているかもしれません。見落としがちな3つの条件

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固定残業代、実は無効になっているかもしれません。見落としがちな3つの条件

「残業代は固定残業代(みなし残業)に含めているから大丈夫」という会社、実は少なくありません。ところがこの固定残業代、いくつかの条件を満たしていないと、法的には「無効」と判断されることがあります。無効になると、払ったはずのお金が残業代として認められず、あらためて基本給だけを基準に割増賃金を計算し直す必要が出てきます。

目次

無効になると、何が起きるのか

固定残業代が無効と判断されると、その手当は「残業代」ではなく「基本給の一部」として扱われます。割増賃金の計算のベースになる金額が増えてしまい、残業代をあらためて(しかも遡って)支払う義務が生じるケースがあります。遡って請求できる期間は最大3年。該当する従業員が複数いれば、金額はまとまったものになりかねません。

有効と認められるための3つの条件

最高裁判例(医療法人社団康心会事件・平成29年7月7日、日本ケミカル事件・平成30年7月19日など)をもとに、固定残業代が有効と認められるためには、次の3つを満たす必要があるとされています。

① 割増賃金の代わりに支払う趣旨であることが明確

その手当が、残業代の代わりに支払われていると、はっきり分かる名目・説明になっている必要があります。

② 基本給と固定残業代が、金額上はっきり区別されている

基本給に残業代が紛れ込んで一体化していると無効と判断されます。「基本給25万円+固定残業代3万円(○時間分)」のように分けて示す必要があります。

③ 想定時間を超えた分は、差額を追加で支払う合意がある

固定残業代が「○時間分」に相当するかを明示したうえで、それを超えて残業した場合は追加で支払う、という前提になっている必要があります。

2024年4月から、書面での明示も必須に

2024年4月の労働条件明示ルール改正により、固定残業代を採用する場合は、何時間分の残業に相当するかを金額とあわせて、労働条件通知書(雇用契約書)に明示することが義務化されています。「口頭で説明していたから大丈夫」という対応では、この要件を満たせません。

「残業代は払わなくていい」にはならない

固定残業代を正しく運用していても、実際の残業時間が想定時間を超えた場合は、その差額を追加で支払う義務があります。「固定残業代を払っているから、それ以上は一切払わなくていい」という誤解は、トラブルの原因として特に多いものの一つです。

就業規則や雇用契約書の固定残業代の書き方に心当たりがある方は、一度見直してみることをおすすめします。ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

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