月給制の会社は要注意。最低賃金、知らないうちに割れているかもしれません
大阪の最低賃金が1,231円になったことは、これまでも何度かお伝えしてきました。ただ「うちは時給制じゃなくて月給制だから関係ない」と思っていませんか?実は月給制の会社こそ、気づかないうちに最低賃金を下回っているケースが少なくありません。
最低賃金は「時給の人」だけの話ではありません
最低賃金は、時給制だけでなく、月給制や日給制の会社にも適用されます。月給制の場合は、月給を時間額に置き換えて、最低賃金額と比較する必要があります。
計算方法:月給 ÷ 1か月平均所定労働時間
基本の計算式は、次の通りです。
月給 ÷ 1か月平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
ここでいう「月給」には、通勤手当・時間外手当(残業代)・精皆勤手当・家族手当は含めません。これらを除いた、基本給や毎月決まって支払う諸手当の合計で計算します。
(※注意:これは「最低賃金」と比較する際の除外項目です。残業代(割増賃金)を計算する際の算定基礎からの除外項目とは異なります。割増賃金の計算では、精皆勤手当は除外できず算定基礎に含める必要があり、家族手当も「扶養人数に応じて金額が変わる部分」のみ除外可能で、一律定額で支払っている場合は含める必要があります。2つの計算を混同しないようご注意ください。)
「1か月平均所定労働時間」は、次の式で求めます。
年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12

試算してみます
例えば、「1日8時間・週40時間・祝日も通常勤務」という会社では、1か月平均所定労働時間はおよそ173時間になります。大阪の最低賃金1,231円の場合、「173時間×1,231円=212,963円」が基準です。つまり、月給(前述の除外手当を引いた額)が212,963円を下回っていれば、最低賃金法に抵触していることになります。
※この173時間という数字は、あくまで「祝日も勤務する会社」の場合の一例です。祝日を休みにしている会社など、年間の所定労働日数が異なれば、1か月平均所定労働時間も変わります。必ず自社の実際の年間所定労働日数で計算してください。
なお、固定残業代を基本給に含めている場合の注意点については、以前の「賃金は雇用の要 計算を間違えると労使間の信頼関係は崩壊」という記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ここまで読んで感じられた通り、この手の計算は手間がかかるうえ、会社ごとに条件も異なり、非常に複雑です。「自分で計算するのは面倒」「結局うちはどうなの?」と感じたら、無理せずお気軽にご相談ください。
