11月は労基署の「重点監督」の月。慌てないために、今のうちに点検を

  • URLをコピーしました!

11月は労基署の「重点監督」の月。慌てないために、今のうちに点検を

11月は「過労死等防止啓発月間」です。厚生労働省は、この期間(2026年11月1日〜30日)に「過重労働解消キャンペーン」を行い、労働基準監督署が長時間労働の疑われる会社に重点的に調査・指導に入ることを発表しています(2026年10月8日公表)。

目次

どんな会社が重点監督の対象になる?

厚生労働省の発表では、主に次のような事業場が重点監督の対象とされています。

残業が月80時間を超えていると考えられる会社

過労死等の労災請求があった事業場や、各種の情報から、時間外・休日労働が1か月80時間を超えていると考えられる事業場など。

離職率が極端に高いなど、問題があると考えられる会社

労働基準監督署やハローワークに寄せられた相談などから、問題があると考えられる事業場など。

2つ目の「離職率が極端に高い」は、小さな会社ほど要注意です。先日の記事「新卒の3年以内離職率、5人未満の会社では約6割」でもお伝えしたとおり、小さな会社ほど人が辞めやすい傾向があります。意外に多いのが、「お世話になりました」と笑顔で辞めていった社員が、実はハローワークや労基署で不満を話していて、それがきっかけで調査が入るケースです。

何をチェックされる?違反するとどうなる?

重点監督では、主に次の点が確認されます。

  • 時間外・休日労働が、36協定で定めた範囲に収まっているか
  • 賃金不払い残業(サービス残業)がないか
  • 労働時間を正しく把握しているか
  • 長時間働いた人に、医師による面接指導などの健康確保の措置がとられているか

法律違反が見つかれば是正指導が行われ、重大・悪質な違反は送検・公表の対象になります。さらに見落とせないのが、1年間に2回以上、同じ条項の違反で是正勧告を受けた場合などは、ハローワークで一定期間、求人を受け付けてもらえなくなるという点です。人手不足の中、ハローワークの求人に頼っている小さな会社にとっては、かなり痛い仕組みです。

また、11月1日〜7日は労基署・労働局での「過重労働相談受付集中期間」、11月7日(土)には全国一斉の無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」も実施されます。社員からの相談が増えやすい時期でもあります。

白書の数字が示すこと

10月9日に公表された「令和8年版 過労死等防止対策白書」でも、長時間労働や心の健康をめぐる課題が浮かび上がっています。心の病気(精神障害)による労災の認定件数は、令和7年度に1,082件と、7年連続で過去最多を更新しました。一方で、従業員50人未満の事業場でストレスチェックを実施している割合は32.5%、勤務間インターバル制度を導入している企業は6.9%にとどまっています。小さな会社ほど、対策がまだ追いついていないのが実情です。

今のうちに点検しておきたい5つのこと

36協定は届け出ているか、期限が切れていないか
多くの会社は1年ごとの更新です。出しっぱなしで期限切れ、というケースは意外と多くあります。

実際の残業時間が、36協定の範囲に収まっているか
繁忙期の月だけ超えていた、ということがないか確認します。

タイムカードと実際の働き方にズレがないか
打刻後の作業や、始業前の準備がないか見ておきます。

残業代の割増が正しく払われているか
1.25倍、月60時間超の1.5倍、深夜の割増まで確認します(参考:残業代の「1.25倍」「1.5倍」、守れていますか)。

長時間働いた人への健康面の配慮ができているか
時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労がたまっている人から申し出があれば、医師による面接指導を行う必要があります。

当機構では、「労基署の臨時検査でも慌てない」労務管理をお手伝いしています。36協定の作成・見直しや、労働時間の管理、残業代の計算の点検など、「うちは大丈夫だろうか」と気になった方は、11月を迎える前に、大阪の当機構までお気軽にご相談ください。

よろしければシェアしてください。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次