止まっていた労働基準法の大改正、議論が再び動き出しました
約40年ぶりの大改正とも言われる労働基準法の見直し。2025年から国の審議会(労働政策審議会・労働条件分科会)で議論が進められていましたが、高市首相が労働時間規制の緩和の検討を打ち出したことを受け、一時中断していました。その議論が2026年9月16日に再開し、年末にかけて月3回ほどのペースで急ピッチで進められています。政府は、来年の通常国会への改正案提出を視野に入れています。
10月14日の審議会で話し合われたこと
10月14日の分科会では、労働時間制度について、主に次の3つが議論されました。
労使の意見は大きく割れています
特に注目されるのが勤務間インターバルです。労働者側と使用者側の主張は、次のように対立しています。
労働者側
勤務間インターバルを「罰則付き」で導入すべき。労働時間の把握に関する規制緩和の流れには抵抗感がある。
使用者側
勤務間インターバルは、業種や業態の特性を踏まえて慎重に検討すべき。労働時間は、健康管理を前提とした運用の弾力化を求める。
まだ何も決まったわけではなく、どのような着地になるかは予断を許さない状況です。ただ、今後の議論の行方によっては、小さな会社の働き方にも大きな影響が出てくる可能性があります。
義務化されたら、小さな会社のシフトはどうなる?
例えば、勤務間インターバルを11時間とした場合、夜間の道路工事で深夜2時まで交通誘導をした警備員は、その日の13時までは次の現場に入れないことになります。「夜間工事の現場の翌日に、日中の現場」というシフトは、警備会社では珍しくありません。隊員の少ない小さな警備会社ほど、現場の割り振りに直接響いてきます。遅番の翌日に早番が入りやすい飲食店や小売店、介護の現場なども同じです。
また、つながらない権利がルール化されると、「休みの日に社長からLINEで仕事の指示が来る」といった、小さな会社にありがちなやり取りも見直しが必要になるかもしれません。

今のうちに、自社のシフトを見直しておきましょう
法改正の内容が固まってから慌てるよりも、まずは今のシフトで「終業から次の始業まで、何時間空いているか」を一度確認しておくことをおすすめします。遅番・早番が続く人がいないか、休日の連絡が当たり前になっていないかを見ておくだけでも、いざという時の準備になります。
なお、勤務間インターバル制度を導入する中小企業向けには「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」があり、11時間以上のインターバルを新たに導入した場合、上限150万円(補助率3/4)が助成されます。ただし令和8年度分は申請期限が2026年11月30日で、地域によっては予算の関係で早めに締め切られたところもあり、これから準備するのは現実的に難しい状況です。次回の受付が始まり次第、このサイトでご案内します。
法改正の議論は、今後も動きがあり次第お伝えしていきます。シフトの組み方や就業規則の見直しで気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
