元請けの無理な納期で残業が増えても、責任は自社に。11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です
11月は、厚生労働省・中小企業庁・公正取引委員会が連携して進める「『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」です。大きな会社が自社の残業を減らそうとした結果、そのしわ寄せが取引先の小さな会社に回ってくる。そんな問題を防ぐための取り組みです。
目次
「しわ寄せ」とは、どんなことか
厚生労働省は、次のようなものを「しわ寄せ」の例として挙げています。
適正なコスト負担を伴わない短納期の発注
適正なコスト負担を伴わない急な仕様変更
工事の民間発注者による短い工期の設定
荷主による長時間の恒常的な荷待ち
キャンペーン期間中は、しわ寄せを生じさせることが懸念される大企業などに対して、都道府県労働局が企業訪問を行うなどして、防止に向けた要請を集中的に行います。
それでも、残業の責任は自社にあります
ここで押さえておきたいのは、元請けの無理な納期が原因であっても、社員に残業をさせた責任は、雇っている自社にあるということです。「元請けに言われたから仕方なかった」は、36協定の上限を超えた残業や、残業代の未払いの言い訳にはなりません。
11月は、労働基準監督署の重点監督の月でもあります(参考:11月は労基署の「重点監督」の月。慌てないために、今のうちに点検を)。無理な仕事を受けた結果、自社だけが法律違反を問われることになれば、まさに踏んだり蹴ったりです。
取引のルールも変わっています
2026年1月1日から、「下請法」は「中小受託取引適正化法(取適法)」に変わりました。新たに、協議に応じないまま一方的に代金を決めることも禁止されています。「取引先には逆らえない」と諦める前に、こうしたルールがあることを知っておいてください。
困った時の相談先
まずは自社でできること
- 記録を残す:納期の短縮や仕様の変更は、メールなど形に残る方法でやり取りします。相談する時の材料にもなります。
- かかるコストを伝える:短納期で残業が増えれば、割増賃金もかかります(参考:残業代の「1.25倍」「1.5倍」、守れていますか)。追加の費用を計算して、見積もりの根拠にします。
- 自社の残業時間を把握しておく:36協定の上限まであと何時間か分かっていれば、引き受けられる仕事の量を判断できます。
取引先との関係があるので、簡単に断れないのが小さな会社の実情だと思います。だからこそ、自社の労働時間をきちんと把握しておくことが、身を守る第一歩になります。「うちの残業時間は大丈夫だろうか」と気になった方は、大阪の当機構までお気軽にご相談ください。
